天声人語で国語力をアップ

天声人語を読み直すのに、新聞の切り抜きや書き写しノートを持ち歩くのが面倒なので、ブログにアップしています。

英国の行く末

天声人語 2019/3/14より

エリザベス女王をロンドンから安全な所に避難させる。そんな秘密の計画があると英紙サンデー・タイムズが報じたのは先月のことだ。もしも英国が欧州連合EU)から「合意なき離脱」をした場合、社会の混乱もありうると見ての対策という▼今や英国政治のキーワードとなった「合意なき離脱」は、出入国管理や関税などの協定が作れないままEUを抜けることだ。2年半前の国民投票EU離脱を決めたものの、どんな協定にすべきか、英議会の話し合いが一向にまとまらないのだ▼このままでは生活必需品の輸入が途絶える、との懸念が報じられる。トイレットペーパーが店頭から消えるのでは、との声もある。やや大げさとも思えるが、混乱を避けたいがゆえの警告だろう▼3月29日の離脱期日を前に、メイ首相の協定案がまたも否決された。合意なき離脱を避け、期日を延期してEUと再協議を進められるか。
経済が絡み合う世界で離脱の形を作るのは容易ではない。国民投票の時点でどれだけの人が分かっていたか▼1950年刊の笠信太郎著「ものの見方について」が英国の知識のあり方を論じている。1人の優秀な頭脳が生み出すのではなく、たくさんの平凡な頭脳が寄り合って作るものだと。そんな「話し合い」のカ量は今の英国政治からなかなか見えてこない▼メイ首相が主導権を失ったのは明らかで、議会が力を合わせない限り混迷から抜け出せない。集合体としての知恵を、土壇場で見せてくれるだろうか。

 

英国のEU離脱とEUの未来

イギリスは明日もしたたか